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●タクシー無線●
★身近で無線を使っている業種……それがタクシー! ★
●業務無線,つまり仕事で無線を使っている業種はいろいろあります
しかし都市部,地方にかかわらず使われ方が多いも→よく聞こえる…ものが二つあります
それが簡易無線とタクシー無線です
簡易無線はいろいろな職種が使っていますが
タクシー無線はタクシー業界だけが使っています
全国に7000近い会社があって,その大半が無線を使っているのです
タクシー会社(法人タクシー)のほかに個人タクシーも無線を使っているところもあります
すべて含めると全国では7000局を越えるのではと思います
都市部や俗に言う「田舎」でもタクシーが走っていれば
無線が使われていることが多いのです
★しかし残念なことに近年無線の高機能化するため
アナログ無線からデジタル無線に無線機を取り替えて運用する会社が増えてきました
周波数を合わせてもザーザー言うだけで声になりません
専用の受信機も現在存在しないので
デジタルタクシー無線はしばらく聞こえない状態が続くようです
ただ、デジタル化は全国のほんの一部の地域なので
皆さんの地域ではまだまだ聞けます
★タクシー無線の運用パターン
タクシー無線は全国各地で使われていますが、違いがあります
朝から昼間に交信が多い地域と夜間に交信が多くなる地域とに分かれます
地方のほうが昼間の交信が多く、都市部では夜間まで営業している店が多いので
交信が夜のほうが多くなるようです
◆タクシー無線の交信例
受信機で地元のタクシー会社の周波数を探して受信する前に
タクシー無線がどんなふうな内容で交信しているか
交信例を挙げて御案内しましょう
●駅前ハナ番?
15!
15それでは**のスナックネスケさんへ
了解4分
了解
★市民病院近い局ありませんか?
******
もう一度
265…265…265…
265了解市民病院玄関で睨津様
265了解3分
◆BEEP BEEP BEEP
319…
319です
**の波野さんへどうぞ
319了解
BEEP!
319実車了解しましたお気をつけてお送りください
◎フジ放送3台口…
598了解,次は…
746,もう一台
153了解3台とも玄関につけてください
598了解746了解153了解
全車実車了解お気をつけてお送りください…タクシー側は聞こえません
●タクシー無線の周波数は?
タクシー無線はこうやってインターネットで御覧になっているなら
総務省の無線局データベースから皆さんの地元のタクシー会社を検索して
ピンポイントで受信するほうが早いでしょう
しかしその前に、皆さんの地元の会社を把握しておくことを忘れずに
駅前にいる待機タクシーが3社なのに、インターネットで調べたら地元は1社…ということもあります
これは会社によって営業範囲が決まっていて
隣接市街まで範囲に含まれているので
インターネットでは本社の住所でしかヒットしませんが
実際の営業範囲は数市にまたがることが多いものです
そのため無線は3社分調べることが大事です
インターネットでは地域と会社名どちらからも検索できるので
駅前に来ているタクシー会社をメモして検索してみてください
タクシー無線の検索方法は
タクシー無線はUHF帯の決まったところにありますから探すのは割合に楽でしょう
364.8125〜364.8750MHz--指令局つまりタクシー会社側と移動局,タクシーですね,が同じ周波数で交信します
365.4875〜365.5375MHz--こちらも指令局と移動局が同じ周波数で交信しています
450.0125〜450.2375MHz--こちらも同一周波数で交信する「シンプレクス」運用になります
450.2500〜451.5000MHz--ここは地域によってシンプレクスと移動局側が8MHz上の周波数を使う地域とに分かれます
453.3000〜453.3500MHz--東京都23区のみ割り当ての新運用帯,移動局は467MHzを使っています
458.2500〜459.5000MHz--移動局側周波数ですが,シンプレクス運用もされる両方併用周波数帯になります
バンドは分けていますがサーチ時には450.0125〜451.5000MHzとしてサーチしてください
他の無線雑誌などでは運用形態説明に間違いがあります
450MHzでもシンプレクス運用はありますし,458〜459MHz帯は移動局専用周波数ではありません!
★聞き方
周波数ステップはUHF帯の標準である12.5kHzステップNFMです
周波数帯が離れているのでサーチは4つ設定することとなります
364MHz帯・365MHz帯・450MHz帯・458MHz帯の4バンドです
364MHzと365MHzは使われていない地方もありますが旅行先での受信などに対応するためには入力をしておいたほうがいいと思います
広帯域受信機のメモリの空きが多ければ全周波数をメモリするのもいいでしょう…ただし入れ方に工夫が必要です
453MHzは東京だけの割り当てのようで特にスキャンやサーチの必要は無いでしょう
広帯域受信機のプリセット周波数には私の説明した上の設定幅と違っている場合があるかもしれません
その場合は,私のほうに合わせてください…メーカーはあまり周波数に詳しくありません
サーチ設定変更方法はそれぞれの広帯域受信機の取扱説明書をご覧ください
タクシー側の電波は5ワット程度のパワー,指令局は5ワットから10ワットのパワーです
したがって地元のタクシー無線局ならまず間違い無く聞こえるはずです
無線は条件によって到達距離が大きく変わります…かなり離れた地域のタクシー無線が聞こえることもあります
都市の一部では450MHz帯で電波がずっと出ていて交信時に声が聞こえるというスタイルのところがあります
そういう地域での受信にはスキャンしていても時間がたつと強制的に移動するスタイルが便利です
トーンスケルチが使われているので特定局だけの受信も可能です
電波が出っ放しのところでは逆トーンスケルチが採用されているところもあります
●無線の特色
タクシー無線の特色にはいろいろありますが
地域によってはタクシー側が聞こえない…
同一周波数で県や市が違う二つ以上の会社が使っている地域もけっこう多い
ビギョという変な音がひっきりなしに出ている地域もある…これはAVMというものです
タクシーは数字がコールサインになっている…
会社の規模によっては地域で2波以上使っていることがある
コールサインで営業所を区別していることが多い…
ずっと聞いていても会社名をほとんど言わない…
会社によって交信量に差がある…
同一会社の場合同一周波数に他の地域の指令局が出ることが多い…
450MHzでシンプレクス運用地域の場合,ちょうど8MHz上で別な会社が使っていることが多い…
共同配車といって数社がまとまってひとつ,またはそれ以上の周波数で一括して運用するスタイルが増えている
音声交信なしのデータ専用周波数を割り当てられている会社も増えてきた…
★タクシー業界のミニ知識
タクシーについてのミニ知識を紹介しておきましょう
◆屋根の上には「防犯灯」「表示灯」「アンドン」と呼ばれるランプが搭載されていますが
地域によっては黒塗りハイヤーでの営業なので設置していないところがあります
中身はランプと蛍光灯があります 空車と実車で色が変わったり消灯したりする地域があります
非常時には赤色の点滅になります
地域によってはここに会社名だけでなく広告も入っているところがあります
正面から見て横長のスタイルが主流ですが横から見る縦長タイプも地域によっては採用され始めています
会社によって形とデザインを統一しているところと同じ会社なのに地域によってスタイルが違うという場合もあります
同じような表示灯を付けていても「運転代行」という業種もあります
消防車の屋根にあるコールサイン表示灯も同じ会社「武内工業所」というところが大半を製作しています
自動車教習車の屋根のランプも同様に上記の会社が主に作っているようです
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2006-11-14修正